3.研究対象地の概要NWs は,ノースウィッチ町(人口約18,500 人)の中心部と郊外の双方をつなぐ中間に位置し,一部に私有地が含まれるが,複数のブラウンフィールドを緑化したバードサンクチュアリや放牧地をはじめ,図―1における①~⑨で表す範囲におよび,多様な公園緑地による300ha を超える面積を有する(表―1)。歴史的遺産や産業遺産としては,異なる高さの水路にボートを運ぶための1875年に建設されたアンダートンボートリフトが 2002 年に保全され12),かつては塩の精製を行っており2015 年4 月に博物館として保全されたライオン塩工場,ウィーバー川や運河による水路のネットワーク,18~19 世紀に増築が行われた大邸宅の庭園が残るマーバリーカントリーパークがある(図―1)。生態学的な特徴としては,廃棄物の埋め立て処理が行われた後に環境対策と緑化が行われて生態系が戻り,過去における産業活動に関連して石灰質の環境を好む希少な動植物が見られる。4.研究の結果(1)NWs における土地利用の変化NWs においては,歴史的遺産と産業遺産の保全とともに, ブラウンフィールドの緑化が行われた(表―1)。ここでは,整備年度と面積,以前の土地利用,事業主体と土地所有,現在の土地利用について述べることとする。1)整備年度と面積NWs における公園緑地の整備年度は,1975 年に始まり,主に