「僕のハッピーエンドはここにあるよ、この、腕のなかに…」陸の存在を確かめるように、きつく抱き締めると、陸も天の背にその腕を回してくれた。「天にぃ……」「会いたかった、抱き締めたかった……陸… ねぇ、僕が家を出て5年 陸がどんな思いだったか、ようやく思い知った。ごめんね、もう二度と 陸を置いていかないから。だからお願い、陸も もう二度と、僕を置いていかないで……」陸は顔をあげないまま、泣き続けている。「おれは、てんにぃを 幸せにしたかっただけなのに……」「まだわからないの?」天が陸の頬を両手で優しくはさんで上げて、しっかりと目を合わせる。「幸せだよ…これから永遠に、陸と一緒にいれるのなら……」心の底からの笑顔を贈る。天が寄せた唇を、陸はそっと目を閉じて受け入れてくれた。