ボク達三人が目を合わせ頷いた。楽とは良く口喧嘩をするけれど、それはボクが楽の事を信頼しているからで、楽も楽でそれは分かっている。龍もいつも何かと止めに入るけれどその目は優しくボク達の事を見ていてくれる。この『TRIGGER』の部隊に入れてボクは良かった。 その数日後、ボク達は研究所に突入するべく、研究所近くに本部基地を作った。特殊部隊のボク達と、数十人の兵士を携えた。ボク達は特殊部隊用に作られた漆黒の軍服に袖を通す。返り血が分からぬ様に真っ黒の生地で作られ首元には階級を示すバッチ、胸元には銀色の紋章が輝いている。そして、この漆黒の軍服に袖を通すだけで緊張感が増す。腰には愛用の武器『クレイモア』と『グロック』を装備して、袖口を少し捲り上げて軍服と同じ黒い手袋を嵌める。 その時、自分の手首が目に入る。ボクの手首には不思議な痣がある。片方だけの『翼』の様な形の痣だ。 九条さん曰く、これは生まれた時からある物だろうと言う事。ボクはその痣を見つめ、袖を下ろした。「準備は出来たか?」 「ボクは大丈夫。いつでも行ける」 「俺も大丈夫だ」