CI計画そしてVI計画というのはご存知の方も多いのではないかと思います。
噛み砕いていえば、ロゴタイプ、ネーミング、マークデザインなどの企画やプロデュースを通じ、複合的に企業のブランドイメージ確立のサポートをするということですが、SI計画というのは聞いたことありますか?
SIとは・・・の前にいつもの定義を・・・
・・・繁盛店にいたるまでの定義・・・
■あと二押し店■お店の“売り”がはっきりしていない。
■もう一押し店■お店の“売り”は明確になったが、お店の“思い”はまだ伝わっていない
■標準店■お店の“思い”が徐々にお客さんに伝わり始めた
■充実店■お店の“思い”がお客さんに浸透している
■達人店■お店とお客さんがコミュニティを形成している
で、きょうは■あと二押し店■つまり、そのSIの、とっても基本的な所で、少しピントがずれてしまっているお店のお話です。
その前に、
参考:
・CI(コーポレーションアイデンティティ)~ 企業(店舗)理念
・VI(ビジュアルアイデンティティ)~ CIに基づいた基本ビジュアルデザイン
(ロゴデザインや企業カラ-計画から販促デザイン展開計画の基本作り等)
そして、SI ~ エスアイ とは(スペース<商空間>アイデンティティ)とか「ショップアイデンティティ」といわれるものです。
アイデンティティは直訳すると「自己同一性」「本人そのものであるか間違いないこと」・・・一般的に身分証明としてに使われますよね。
ということは、「お店」の「同一性」?なんじゃそりゃって感じですね。
でも、とっても大事な事なので、こう覚えてください。
・・・SIとは、「こうありたい」というお店の気持ちと、「○○なお店だね」というお客さんの気持ちが一致すること・・・
つまり、あなたの“想い”がそこで働いてくれるスタッフ、そしてお客さまに伝わっているということです。
さて、本題です。
そこは繁華街とやや離れた場所に立地する、和食のお店。ビジネスホテルやオフィスが目立つ立地です。
ご主人は、若い頃から日本料理の修業を積んできた方。
料亭やホテルで、向板、煮方、料理長などを経験してきたいわばツワモノ。料理の腕前には自信があります。
さらに、まだ30代という若さもあり、洋と和をうまくミックスさせたメニューにも、柔軟なセンスがうかがえます。
つまり、このお店の“売り”はまず料理にあるわけです。
なかでも「本格的な懐石料理を、気軽な価格で味わえるお店。」というのが一番の特徴です。
割烹料理や懐石料理を食べて来た経験のある方は、このお店の料理の品質と価格のギャップに皆驚かれます。
そして、皆さん心から満足し、感謝して帰られます。
こういう方は必ずまた来てくださる。
こういった方にとっては、「懐石料理を気軽に味わえるお店でありたい」というお店の気持ちと、「このお店は、懐石料理を良心的な価格で味わえるお店だ!」というお客さんの気持ちが、ピッタリ一致しているわけです。
しかし・・・
現状を見てみると、このお店、あまり繁盛していません。
素晴らしいお店なのに何なんでしょう?
このお店に来るお客さんの多くは、来店し、メニューを見た時から、そわそわと落ち着かなくなります。
店内を見回したり、他のテーブルを見たりと、なかなかオーダーが決まりません。
そして、早々に帰られる。
まるで、来る店を間違えたとでも言いたげです。
実はこのお店、店名やお店のファサード(入口)からは、「懐石料理を気軽に味わえるお店ですよ」という情報が全く伝わってきません。
「お洒落な居酒屋?」とか「センスのいい小料理屋?」ぐらいにしか思えないのです。
懐石料理が格上で居酒屋が格下とかそういうことを言ってるのではありません。
ポイント・・・。お客さんが勘違いして入ってきてしまうことが問題です。
あなたのお店でもよくありませんか・・・?
たとえば大人の空間でゆっくりと飲・食・楽を満喫してほしいと思っていても、小さな子供づれのファミリー客がほかのお客さまをじゃましてしまうため雰囲気を壊してしまう・・・。そこで、しぶしぶファミリー客のほうに丁重に警告(イエローカード)する。
これって実はファミリー客の責任ではないのですが・・・。
お店に入る前にお客さまに「この店はあなたが来ても満足させることができません。なので違うお店へ・・・行かれてください」と気づかせることが出来ているかいないかなんですね。
話を懐石料理屋さんに戻しましょうか。
居酒屋に来たつもりで、席に座り、メニューを見ると、先付、八寸、向付、焼き物、煮物、等々
単品メニューもあるにはありますが、まず目に飛び込んでくるのは懐石のコース。これでは、居酒屋に飲みに来たはずのお客さんは、「あれ?」って事になります。
「懐石料理を気軽に味わえるお店でありたい」
だから、いかにも日本料理店・懐石料理店という風情ではなく、店名やファサードにも気軽さ・新しさを加えたといったところなんですが、これが逆に混乱を招いています。
結果として、外からは、誰のためのお店か、よくわからなくなってしまっています。
また、お店のホームページからも、なんとなく高級な感じ、本格的な感じは伝わってきますが、お店の立ち位置がもう一つ明確じゃない印象です。
「割烹とか、懐石を前面に出してしまうと、敷居が高くなって、お客さんがなかなか来てくれないのでは?」という、お店の迷いも確かにあって、すべてがあいまいになっている、というのも一因です。
そこでまずは、このお店の一番の特徴である、「懐石料理が気軽に味わえるお店」ということを、しっかりアピールして行こう、という事から始めます。
まさにこれから、手を打っていくわけですが、これは結構多くのお店が抱えている問題でもあるはずです。
さて、今回はこの問題、あなたも一緒に考えてみませんか?
いいお答えやご意見をいただけた方に、
■特別レポート「つらい時にしてはいけない事としなければいけない事」(PDFファイル)を差し上げます。
★問題
第1問
あなたがこのお店のオーナーだとして、どんな方法で、お店の一番の特徴を伝えていきますか?
もちろん、20席程度の小さなお店ですので、
テレビコマーシャルなどのマスメディアでの広告は、
基本的に考えから外してください。
20席でも費用対効果からいって「いけそう」なら、
マス広告のアイデアがあってもかまいませんが。
第2問
現在、店名変更も視野に入れていますが、どんな名前がふさわしいと思われますか?
お店の名前だけでなく、大衆割烹○○とか、カジュアル懐石××
といったように、セットで考えていただけるといいと思います。