大きな声で名前を呼ばれ、ようやく一織は現状に目を向けた。 いけない、 このままでは陸が発作でまた倒れてしまう。「早く、先生を!!」大和が陸の体を支え、出来るだけ呼吸しやすい体制を作ってやりながら一織にもう一度告げる。 一織は今度こそ頷き、そのまま走り出そうとして、「それと!近くに九条がいるはずだ!そっちも声をかけて・・・」 「それはできません!!」それに対しては、一織は拒否した。 だいたい、この原因を作り上げたのは誰だ。 他でもない、天だ。 だったら、(会わせるはずがないでしょう?)天の顔を見て、発作がさらに激しくなったら・・・・・・「やだ!!やだああ!!」 「リク!!」 「七瀬さん!!」天の名前を聞いたからだろう、突然陸が大和の腕の中で暴れ出した。「落ち着け!リク!!」大和が何とかなだめようとするが、陸は聞かない。「もう、げほっ、俺に…俺にかまわないで!」グッと大和の腕に力いっぱいしがみつきながら、陸が泣き始める。 ダメだ。このままではますます発作が酷くなる。「リク、とにかく今は落ち着けって・・・」 「いらないなら、・・・いらないなら、いっそ死なせてよ!!」 「リク!?お前、何言って・・・!!!」 「もう消えたい・・・!!もう・・・いっそ・・・俺なんか・・・げほっ!!げほっごほっ」 「リク・・・」