4人に心配の声を次々に掛けられて、陸は、シュン、と項垂れる。 そんな陸を見て、天は再び深く息を吐いた。「まったく……昔から、人に迷惑をかけないようにして、結局人に心配させるんだね、陸は」 「うぅぅ…」 「頼る時は頼るようにって、いつも言ってるでしょう?」 「うぅぅぅ…」 5人総出で指摘されて、陸は涙目になる。 全てが耳に痛い言葉だった。 陸が俯いて思い切り凹んでいると、身体がフワリと何かに包まれた。 包み込む匂いは、もちろん、兄のもの。 慰めるように抱きしめられて、陸は、すん、と鼻を鳴らして、兄に凭れ掛かった。「……ねぇ、陸。どうしてアイドルになろうと思ったの?」 「え、えっと……スカウトされたから…。最初は右も左もわからなかったよ?でもね、いつも天にぃに守られてばかりだったオレが、皆んなを幸せに出来るんだと思ったら、嬉しくて。だから、アイドルを続けたいって……楽さんと龍さんと、TRIGGERでいたいって、思ったんだ…」 「そう…」 「だから、オレ、TRIGGERとしてこの世界にいたい。天にぃに言わなかったことも、天にぃを心配させちゃったことも、いけないことだってわかってる。でも…」