PPに適さないものとその代替わり
PPとは、ポイトンプレゼンテーションといい、店内を歩いているお客様に注目させて関心を持たせて、それが設置してある売場に誘導するディスプレイのことです。
秋葉セミナーでおなじみ、お客様を回遊させるディスプレイのことです。
このPPは、アパレルに有効で、170cm~240cm高の壁面・柱面と、アイランド売場のエンドにトルソーやハンガーを設置することでお客様を誘導できます。
ちょうど今位なら、秋モノカラー満載で、お客様を誘導していることと思います。
さて、このPP、近年はアパレル以外でもすっかり定着しました。
●雑貨
●薬・化粧品
●玩具
●カー用品
●家電
など、あらゆる物販店で活用されています。
ただ、このPP、アパレル以外で活用するには注意が必要なんです。
それは、
1. 小さい品はPPに向かない
2. なじみがない商品はPPに向かない
3. シルエットがはっきりしない商品はPPに向かない
からです。
1については、PPを設置しても遠くから小さすぎて わかりません。
メガネもそうですし、靴もそうです。
コンパクトミラーも、鉛筆削りも。
その場合は、写真を拡大してPPの代替わりにしてもいいですし、商品説明POPを置いたり、分類POPを置いたりします。
場合によっては、大きいオブジェを置くのもいいでしょう。
例えば、ヘッドマネキンにメガネをかけて展示する、などです。
2については、一般客に馴染みがない商品は、遠くから見てもそれが何の商品かわかりません。
コーヒー売場で、 コーヒーメーカーやエスプレッソマシンならわかりますが、マキネッタやコーヒーシェーカーを展示しても わからないでしょう。
それらはコーヒー抽出器ですが、よほどの玄人でないと、それが何か近くで見ても何の商品かわからないのです。
PPが何なのかわからないお客様はそのまま追求することなく次に行ってしまうでしょう。
どうしてもマキネッタを展示したい場合は、商品説明POPの大きなものを商品展示の傍らに置くしかありません。
以前、画材店のPPで、アクリル画溶剤のビンが大量にPPとして展示していましたが、それが何かわかったのは、7年後でした。(笑)
せめて、それが何なのかPOPを展示してほしかったです。
3については、透明な商品や壁の色に近い商品は避けるべきです。
例えば、透明の花瓶やガラスオブジェを置いても、透過するので遠くから見てもシルエットがはっきりしません。
置いてあるのがわからないです。
また、壁の色に同化しているバッグや服も遠くから見て存在があいまいです。
どうしても、同化する色を展示したい場合は、背面にコントラストの付くタペストリを掲示してください。
透明については、これはもう中に色水を入れるしかありません。
さて、ここまで話しましたが、PPが難しい場合は、思い切ってPPをなくすのも一つです。
1.上までIPを続ける
2.POPを代用にする
3.オブジェを代用にする
4.単なる飾り棚にする
などの方法があります。
1に関しては、ウォーターフォール陳列と言って、天井までIPを積み上げ、大きな壁の模様のカタマリとしてお客様を引きつけるなどします。
MUJIがよくやっています。
2.3は上記で言いました。
4は、これはもう最終手段。
いろいろなブランド店舗で、4の割り切った展開をしています。
よくあるのが、フレーム写真を展示する「固定フレーム棚」です。
バナリパやポロがよくやっていますね。
これはブランドの世界観を強調するのに有効です。
PPの使い方、ぜひ一度振り返ってくださいね。