「カーネーションの花言葉、色によっても変わるけど、カーネーション自体の花言葉は"無垢で深い愛"それと"あらゆる試練に耐えた誠実"」まっすぐ私を見つめる天の顔は穏やかに微笑んでいる、けれどその瞳には確かな覚悟を秘めていた。 きっと私に「産んで下さい」と言ったその時からとっくに天は覚悟を決めていたのだ。未だに怖がって覚悟を決めきれていなかったのは私の方だったんだ。「陸のいう通りボク達の間には乗り越えなければならない試練ばっかりだ、時には納得できない事だってあると思う。でもボクは陸と一緒にいるために、陸とお腹の子達を守るために誠実に立ち向かっていきたいと思う。」 「…うん…私も…天にぃと、一緒に守りたい」止まったと思った涙はまた流れ出して、ぽとぽとと落ちては服に染み込んでシミを作っていく。「そんなに泣いたら発作が起きちゃうでしょ、ほら泣き止んで」 「うう…天にぃの、せいじゃんか」 「ふふ、ごめんごめん」そう言いながらおでこに優しいキスが降ってくる。それはおでこから瞼の上、頬へと降りていって一瞬だけ唇に触れて離れる。「じゃあ改めて言うけど、ボクと結婚してくれますか?」添えていただけだった手に力をこめて、天の手を握った。この先の未来、天にぃと一緒に乗り越えていく、そんな覚悟をこめて。「はい」