いくつかの夜を過ごして。天と陸はホットミルクを両手に握りこんで、いつかの夜みたいにベランダに二人並んで、星がまたたく夜空にみおろされていた。「自分の気持ちを一番大事にしたら、陸を大切にしたいって思っちゃうんだよ。だから、陸が幸せでいてくれるのが、ボクの幸せ。お手伝いしてくれるんでしょ?一緒に幸せになってくれる?」 「うん…」 改めてまっすぐに伝えると、陸は照れたように頷いてくれた。 微笑む陸の笑顔が、月明かりに淡く輝いてみえた。想いが通じ合うって、奇蹟のようだ。ずっと、母や父のような、惜しみ無い愛を陸に与えたいと思っていた。 けれど、きっと、それとは違うものかもしれないけれど…これからの人生をかけて、陸に天なりの溢れるほどの愛を、愛しさを、たくさんたくさん伝えていこうと心の底から思った。