クゼルはそう言うが、キッと鋭い視線をリリィンは彼にぶつける。
「女の裸を見ることが徳か! ならば何故その相手が魔王なのだ!」
「ノフォフォフォフォ! もしかしてお嬢様、覗くなら自分にしろと?」
「ばっ、ばばば馬鹿なことを言うな! だれがヒイロなぞに覗かれたいと言ったぁっ!」
リリィンが茹でダコのように顔を赤くさせて必死で言い訳する。
「ん~そんなにリリィン殿は師匠とお風呂に入りたいのですかな?」
「だ、だから違うと言ってるだろうが!」
「そ、そうなのですかな? で、ですが師匠とお風呂は結構楽しいですぞ?」
「た、楽しくてもそう簡単に一緒に入るなど……って、今何と言った?」
「はい? 今ですかな? お風呂は楽しいと言いましたですぞ」
「い、いや、その前だ。……貴様、ヒイロと一緒に風呂に入ったことがあるのか?」
「はいですぞ! 師匠は嫌がるのですが、何度かミカヅキと一緒に師匠が湯浴みしている時に突撃したことがあるのですぞ!」