「お主はそれでよいのか?」
……私は、ゆっくりと足を開いた。
今の今まで誰にも見せたことない。
もちろん誰にも触れられたことのない場所を、自らの意思で見せた。
「素直だな、お前は……可愛いぞ…それじゃあ」
師匠がアソコに顔を埋める。
刹那。体に電気が流れるような錯覚に陥った。
「んああっ」
言うまでもなく舐められる事なんて初めてである。
信じられないほどの快感が私を襲う。
「…あっ……あっ…ふあ」
ボーっとしてくる。何が何だかわからなくなる。
私は視線を宙になげ、光を受け光る埃を意味なく見る。
駄目だ。壊れてしまいそう。
「あっん…ふぁあ…ししょ…これ…だめっっ」
師匠は私の声が聞こえているのかいないのか、顔も上げずに舐め続けた。
「や…やばいですって……ぇあ、あああっ」
同性の。
しかもあのスカサハ師匠で。
身長だって20センチ以上高いこの人。
世界が、私と師匠だけになった気がした。
あるのは快感だけ。
この後どうなるのか?世間体?
どうだっていい。
今はただ、師匠と。
与えられる快感に身を任せるだけ。
「あ…んんっ…んあっっ」
「やはりちょっと……きついな。指だけなのだが」
急に進入してきた異物に体が反応する。
今まで自分でしたことはあるけど、いつも外から触るだけで中に指など入れたことない。
初めて体験する異物感に、少し顔をゆがめる。
「痛い……か?」
「いえっ…いたくない…です…」
「最初はゆっくりしよう」
言葉通り本当にゆっくり、師匠の指が私を犯す。
痛くないと言えば嘘になるが、それよりも私はその先にある快感がほしかった。
「んっ…んっ」
「大分慣れてきたか…マスターよ…」
愛おしそうな目で、師匠が私を見る。
…そうか。
繋がるってこういう事だったんだ。
今まで性に関することはひた隠しにしてきた。
なんだかいけない事だって思ってた。
汚い事だって思ってた。
テレビの下ネタ。ネットで目にする性体験。
汚らわしいって。私には関係ない事って。
初めて自分で触ってみたとき、快楽を感じたとき。なんだかとても後ろめたかった。
自分が汚い人間になったような気がした。
……でも、違う。
誰かとこんな風にすると、幸せを感じる。
その誰かを愛しいって思える。