前回に引き続き、【差別化】についてお話してみたいと思います。
前回の記事をまだご覧いただいてない場合は、先ずはご覧いただいてから当記事をご覧いただきますとより理解が深まるかと思います。
さて、前回の記事では差別化とは
「お客様により良い価値を提供する」
ということが本質だとお話しました。
A,B,Cのパン屋の例を元に、今日は更に詳しく差別化について掘り下げてみますね。
~前回のパン屋の例~
家の近所に2件のAとBというパン屋があり、どちらも個人経営で価格も品揃えも似たようなお店でした。
AとBどちらのパンも買ってたべたことがありますが、どちらもそれなりといった印象で、その時の気分によってAで買ったりBで買ったりしています。
そこへ新しくCというパン屋がオープンしました。
そのパン屋は他の2店と比べてパンの種類は2倍、価格は全体的に50円程度安く、フランスでパンの修行をした方が作っているとか。原料は安心できるものだけを使い、予めネットで予約をすれば1000円以上なら配達もしてくれるそうです。
その結果、Cのパン屋はAとBのパン屋に対して
パンの種類は2倍
価格は50円程度安い
フランスでパンの修行をした
原料は安心できるものだけ
予めネットで予約をすれば1000円以上なら配達
という差別化をすることで、売上を上げることに成功しました。
差別化と一口に言っても、色々あります。
差別化という言葉では堅苦しく感じる場合は、単純に「違い」だと思っていただいても構いません。
価格が違う場合もありますし、店構えやサービスが違う場合もあるでしょう。
これらの違いは、実は以下の3つのパターンに分けることができます。
1) [手軽軸]
近い、安い、早い、便利
2) [商品軸]
腕がいい、技術力がある、高品質
3) [密着軸]
自分を知ってくれている
もちろんこれ以外の差別化ポイントが全くない訳ではありませんが、殆どはこのうちのどれかに当てはまります。
これをもとに、Cのパン屋の差別化ポイントを分けてみましょう。
パンの種類は2倍 ⇒ 商品軸(商品数)
価格は50円程度安い ⇒ 手軽軸(安い)
フランスでパンの修行をした ⇒ 商品軸(商品のクオリティ)
原料は安心できるものだけ ⇒ 商品軸(商品のクオリティ)
予めネットで予約をすれば1000円以上なら配達 ⇒ 手軽軸(便利)
このような感じでしょうか。
例えばCのパン屋がお客様の好みを把握していき、お客様がよく買われるパンの焼きあがり時間を教えてあげるサービスを始めたとしたら、それが密着軸での差別化ポイントになります。
これはこのパン屋だけでなく、業種や業態に関わらず世の中のお店や企業に当てはめてみることもできます。
例えば飲食店であれば、手軽軸はファーストフード、商品軸は高級フレンチレストラン、密着軸は行きつけの飲み屋のような具合です。
美容室であれば、手軽軸は1000円カット、商品軸はカリスマ美容師のいるお店、密着軸は行きつけの美容室。
PCを買うなら、手軽軸はネットで手軽に安く買えるデル、商品軸はアップルストア、密着軸は秋葉原電気街で組み立てパソコンをつくってくれるお店などです。
この他にも有名な企業や商品、老舗のお店などには必ずこの差別化軸が存在しています。
逆を言えば、差別化軸のない企業やお店が成功することは難しいとも言えるでしょう。
あなたのお店の商品を買ってもらうためには、このように競合との「違い」をしっかりとお客様にアピールすることで、その違いに価値を感じてくれる人を呼び込むことができるのです。
前回のポイントは
「お客様により良い価値を提供する」
でしたが、今日はこれに加えて差別化とは、
「競合にはない(高い)価値をお客様に提供して、自分を選んでもらう」
ということを頭に入れておいて下さいね。
さてこの3つの軸を元に、自分のお店は競合とどのように差別化をしていくのか、どの軸で違いを出していくのかを考えなくてはなりません。
一つのお店や会社でこの3つの軸全てを行うことは不可能ですので、通常はこの中からひとつに絞ることをお勧めします。
どの軸がいいとか悪いはありません。