ニコニコと笑うリクに別に誉めてるわけじゃないと溢すが聞いていなかった。それをテンと呼ばれた男の子は鼻で笑う。それにカチンときたがいつものようにここで言い合うと白い目で見られるのはガクなので出しかけた言葉を咄嗟に飲み込む。 そんな彼らのやりとりを知る由もないマスターが戻ってくると、リクとテンの前に出来立てホヤホヤのオムライスが出される。「!!」 「オムライスだぁ!!」二人して目をキラキラと輝かせてオムライスを見る姿にマスターは顔を綻ばせる。「そうかそうか、オムライスが好きか。」 「うん!リクもね、テンにぃもねすっごくオムライスが大好きなんだぁ!ありがとうおじさん!」 「ありがとうございます。」マスターにお礼を言った二人は揃って手を合わせ、いただきますと言ってから同時にオムライスを口に運ぶ。そして同時にパァっと顔を輝かせて向かい合うとニコニコ笑って美味しいねと共有し合う姿にこの子らは双子なのかとマスターが尋ねる。「あぁ。薄桃色の髪の方が兄貴で赤髪の方が弟なんだ。」 「あまり似ていないから最初は双子だとは思わなかったが、こうして同じ行動をしているのを見ると分かるな。」 「二卵性だから似てないんだ。こいつらはそれを気にしてるからあんまり言わないでやってくれな。」