キミが『生きている』を叫ぶ限り、ボクは『愛してる』を捧げるから。「愛してるよ、陸」 「ふえっ!?急にどうしたの天にぃ」 「愛しいなあって思ったから言ってみただけ」 「ふふっ、なにそれ」 「大好きだよ。愛してる」 「オレもすきだよ。天にぃだいすき」 頭を撫でる手に擦り寄って、首筋に埋めた鼻をくんくん鳴らして、楽しそうにくすくす笑う、ああもうなんでそんなに可愛いの。 赤いつむじを中心にわしゃわしゃと掻き回したい衝動を抑え込んだ。 とある人物に対して無双の言霊使いになれることを知っている姑息な天使は、愛してるを注がれ続けたうさぎとの本当のエンディングを、今か今かと待ちかねている。 それは、ずるくて汚いのろいじゃなくて、甘くて幸せなおまじない。