そう言って医者は病室を出ていったのだった。扉が閉まると天は陸に寄り、優しく頭を撫でながら優しい声で話す。「陸、今日の事もそうだけど陸自身に何があったかお医者さんから聞いたよ。…でもみんなは知らないんだ。ライブもあるけどこれからも支え合っていく大切なメンバーでしょ、説明してあげたら?」「…。」陸は頷くと、柄にもなくしょぼんとした顔をして今にも泣きそうな声で話すのだった。「分かったよ天にぃ。あのね皆、…オレさ実は肺がんになったんだ」「「「「「…え」」」」」「ふふ、みんな驚いてる…だよね」「七瀬さん笑い事じゃありません!」一織は今にも掴みかかりそうな勢いで陸に近づくが陸の光のない目を見て、後ずさる。「一織ありがと…オレさ、これからもみんなと同じように、みんなと一緒にアイドルしたいから手術する事に決めたんだ」「りっくん…手術して良くなる?」「…上手くいけばね」「いや、陸。お前そんなんで歌えないだろ!」「分かってる三月…」「陸くん、厳しいことを言うけれど、踊りながら歌うなんて無理だ。不可能だよ」「そうだね壮五さん…」「七瀬、悪いことは言わねぇ、アイドルは無理だ」「ごめんね陸くん、俺も楽の意見に同じだよ」「八乙女さんも十さんもありがとうございます、でも決めたんです。オレはオレの心臓が止まるその日まで歌い続けるって」「…陸もういいよ、ありがとう」