「…九条さん。陸を呼べと言ったのは何故ですか?」 「前にも言っただろう?天が仲良くしているお友達がどんな子なのか気になっただけだよ」天は陸を玄関まで見送った後、満足そうに笑う九条に問いかけた。 今回陸が九条家まで赴いたのは九条の命で天が陸を九条家に招待したからであった。 天もその言葉を信じ、陸を連れてきたが今日の九条の行動は明らかに不振だった。「本当にそれだけですか?」 「あぁ。それだけだよ」 「…陸に会ったのは、初めてなんですよね?」 「ライブの映像なんかでは見たことはあるけれど、直接会ったのは初めてだよ」 「…そうですか」その答えを聞いて、天の中の疑問が確信に変わった。 今日の九条の態度、何か裏がある。「理。ボク九条さんと話し合わなきゃいけないことがあるから、少し部屋に戻っていてくれる?」 「え?わ、わかりました」 「ごめんね」