あの日からさとみ先輩は私によく絡んできてくれた。莉犬くんに会いになのかよく私達のクラスに来てその度に話しかけてもらったりしていた。少しずつだが距離が縮まり、話しやすくなった。そして今は一緒に帰ろうと誘ってくれている。『残念ですね、さとみ先輩。 私、登下校は車なので一緒に帰るのは無理ですw』さ「…えー!!そーなの?…」ショボーンとした先輩を見るとなんか胸が苦しい…『…先輩の家まで車で送りましょうか?』さ「…まじ!?」『今日だけですからね!』しかたないだけ…と謎に自分に言い聞かせてさとみ先輩と迎えの車がある校門へ向かう。その途中、周りから何人かの話し声が聞こえた。他「あ、さとみ先輩だー! いつ見てもかっこいいなぁ」他「隣の人、誰ー?」他「さとみくんの隣ずるーい…ってあの子、 白鳥さんじゃん」『…』私達の話だ。他「白鳥って聞いたことあるー」他「知ってるの?」他「知ってるもなにも白鳥財閥のお嬢様だよ。」他「ほら、迎えの車来てるでしょ?」他「本当だー。良いなぁー。お嬢様とか羨ましい。」他「白鳥さん、成績も学年トップだし、 スポーツも万能。才能だよなぇ。」他「天才お嬢様かぁー。すごいねぇ。」他「良いよねー。天才だったら楽だろうなぁ。」…その人達は私の話を少しして違う話題になった。天才…ね『…はぁ…』さ「……羽夜ちゃんの事話してたね。」さとみくんが口を開く。…!『そうでしたね笑』さ「羽夜ちゃん、お嬢様だったんだー。」意外そうにさとみ先輩は言う。『まぁ…。別にそんなすごい人じゃないですけど』さ「羽夜ちゃんがお嬢様…」お嬢様は良いなぁ。楽そうだなぁ。生まれ持った才能があるなんていいな。私が今まで散々言われてきた事。…さとみ先輩も言うのだろうか。『……』さ「羽夜ちゃんはお嬢様よりもお姫様じゃない?」…『…え?』さ「だって羽夜ちゃんの性格からして お嬢様って感じじゃないし見た目も可愛いから どちらかというとお姫様寄りかなって」『…っ!』そんな事初めて言われた。さ「…あれ?嫌だった?」『…いえ、ありがとうございます。』さ「…えへー。でも…」さ「俺はお嬢様の羽夜ちゃんも 可愛いと思うし、好きだよ。」『!?』…好き!?…性格が…だよね…?『からかわないでください!』私は照れながらそう言った。