「私が王女である限り、危険から遠ざけられるのは当たり前の事なんです。諦めてしまったら、そこで終わり。譲れないと思うなら、自分から動かなきゃ何も始まらないって、やっと分かりました」 蚊帳の外に置かれたから、何だって言うんだ。 誰かが手を引いてくれるのを待っているんじゃなくて、入りたければ、自分から入っていけばいい話。拒絶される度に立ち止まっていたら、何処にも行けない。 未来を変えたいと願った。 レオンハルト様を諦めないと誓った。 なら、私は強くならなくちゃいけない。 何があっても、前に進めるくらい強く。「諦めたくないんです。……手伝って、頂けますか?」 緊張に早鐘を打つ胸を押さえながら、レオンハルト様を見上げる。すると彼は、優しく目を細めて微笑んだ。 成長した子供を見るような視線は若干不服ではあるが、温かな笑顔を向けられて嬉しくないはずがない。「勿論です。その為の協力者ですから、何でも仰って下さらなければ困りますよ」 力強い言葉を貰い、私はほっと安堵の息を零した。