サザンオールスターズのドキュメンタリー映画やCM、ミュージックビデオなどを手掛け、国内外から高い評価を獲得してきた常盤司郎監督。構想7年という渾身の脚本で長編映画監督デビューを果たした『最初の晩餐』が公開中だ。主人公の東麟太郎役を演じた染谷将太に、「台本から立ち上る香りそのまま」だったという現場の舞台裏や、食にまつわる家族の思い出、「錚々たる面々」との共演エピソードなどを聞いた。染谷が扮するのは、父(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきたカメラマンの麟太郎。姉の美也子(戸田恵梨香)と通夜ぶるまいの準備を進めていると、母のアキコ(斉藤由貴)が勝手に仕出しをキャンセルしていたことが判明。しかも「自分で作るから大丈夫」と言いだした。運ばれてきたのは、父が初めて家族に作ってくれた料理である目玉焼き。懐かしい料理に父との思い出が蘇ってくるなか、家族も知らなかった父のある秘密が浮き彫りになっていく…。