日菜と奥沢さんを追って走って行った弦巻さん 「本当に…嵐のような人ね。」 「本当に…。」 「紗夜、千聖私らも行くねー。どっかで合流できたら合流しよ?」 「ええ。ではまた。」 今井さん達もそのまま去っていった。 「…じゃ私達もいきましょうか?千聖さん。」 「え?ええ。」 私達はゲートをくぐり抜けパンフレットを見ていた。 「千聖さんは何か興味ある物や行きたい場所はありますか?」 「そうね…。ここに行ってみたいわね。」 ○ーさんのハニーハント。確かに興味があるわね。 「じゃここへ。」 「何だかワクワクするわ。こんな気持ち久しぶりかもしれないわ。」 「私もです。幼い時に私は行った記憶はありますが、それ以外で行った事ありませんでしたし…。」 すると千聖さんは私の腕を握って 「じゃ思いっきり楽しみましょうね?」 「…っ!」 また私の心臓がドキっと脈を打った。…何故? 「ええ。さぁ行きましょう。」 店員さんに誘導され私達はトロッコに乗った。 「いよいよね。」 「ええ。」 トロッコが動きだし、周りはあの世界観がそのままテレビから出てきたような感じだった。 「紗夜ちゃん!見て見て…」 「わぁ…可愛い!」 千聖さんがはしゃいでる姿を見つめていた。 そうしてるとあっという間に出口に出ていて、すぐに現実世界に戻ってきた。 「楽しかった…紗夜ちゃんは?」 「ええ。とても楽しかったです。」 トロッコから降りて千聖さんは私の腕を掴み 「さぁ。次行きましょ!」 「…はい。」 何となく分かったような気がする。この気持ちが。 …でも本当に私が…? 「紗夜ちゃんどうしたの?」 呼ばれて私はふと我に返る。 「いえ。次はどこにしようかと思いまして。」 「ふふふ。次は紗夜ちゃんの好きな所にしましょ?」 そう言われながら私は千聖さんに引っ張られて次のアトラクションへと向かって行った。 薫&リサ&彩side 私達は彩のお手洗いを外で薫と待っていた。 「お~千聖大胆だね~」 千聖が紗夜を引っ張りながら歩いてるのを見ていた。 「千聖…」 薫はどこか嬉しそうな表情でその光景を見ていた。 「薫?」 「あ…すまない。昔の千聖を見ているようでね。何か懐かしい気持ちになったんだよ。」 「そういえば千聖と薫は幼なじみなんだよね?昔の千聖はどんな感じだったの?」 「昔かい?昔は本当に可愛いらしくて素直で優しい女の子だったさ。子役としても既に活動はしていたが…中学へ上がるくらいまでね。」 「そうなんだ。」 「千聖は中学へ上がると途端に壁を作るようになった。私にもね。最初は不思議だった。芸能人として活躍するのと同時に人との関わり方が分からなくなってしまったんだろうね…。仕事と学校の両立は難しい…ましてやまだ中学生だったからね。」 「まぁ…そうだよね。」 「しかし今の千聖は女優の白鷺千聖ではなく、昔の天真爛漫な白鷺千聖になっている。紗夜といると恐らくそう言った物を忘れられるんだろうね。花音や私ではなく…ね。」 「恋の力ってことかな」 「…そういう事さ。」 すると 「おまたせー!ごめんね。」 「いいよいいよ!次はどこに行く?」 「私は…子猫ちゃん達が行きたい所なら何処へでも…あのシ…」 「あ~シェイクスピアはいいよ。じゃここへ行こうか。」 「うん!」 すると薫は千聖達の方を見て何か呟いた。 「どうしたの?薫?」 「いや。では行こうか」 まぁ聞こえてたけど…薫も優しい女の子だよね。まぁ…言わないけどね。幼なじみには素でいれるのは私も一緒だし。 でも薫が言うとギャップがすごいなって 「ちーちゃん頑張って」 まぁ可愛いからいいんだけどね。 私も紗夜に 「紗夜頑張ってね?」