天は驚いた。 陸は自分が持病を持っていることを公表していない。 それに陸は世間には元気な子であるというイメージで浸透している。 それなのに何故九条は陸の体のことを知っているのか。「いや、なんとなくさ。…天はその陸君とは仲良しなのかい?」 「はい。…大切な、友人だと思っています」この言葉を聞いたら、陸は「天にぃ…!」と目をキラキラさせてこちらを見るだろうなと想像しながら天は九条の質問に答える。 すると九条は笑って天の頭を撫でた。「そうか…。天がそんなに良く思っている相手なら、私も会ってみたいな。今度家に招待して上げなさい」 「家に、ですか…?」天は九条と理と3人で暮らしているこの家には誰も上がらせたことはなかった。 九条にだめだと言われていたからである。 九条の発言を不思議に思ったが、天は実の父を疑うことはないだろうと考え、陸を家に呼ぶことを快諾した