1934年4月21日、渋谷駅前に銅像が建てられ、除幕式にはハチ自身も出席した。これは、彫塑家の安藤照がハチ公像を作っている最中に、ハチのことを託されたと称する老人が現れ、ハチ公像を建てるために絵葉書を売り始めたからである。そのため、それより先に銅像を作らなければならなくなり、ハチが生きているうちに銅像が建てられたのである。
ハチの銅像は第二次世界大戦中に金属資源不足により供出され、終戦前日である1945年8月14日に鉄道省浜松工機部で溶かされ機関車の部品となって東海道線を走った。現在のものは彫刻家・安藤士が制作し、1948年8月に再建されたものである。ハチ公美談は戦前に海外にも紹介され、戦後日本の占領に当たった連合国軍の中の愛犬家がハチ公の銅像の行方を知り、勇志を募り再建の有象無象の力となり再建時の除幕式には、連合国各軍の代表が参列した。
駅前に像のあるJR東日本渋谷駅の改札口の一つは「ハチ公口」と名前がついている。再建当時は駅前広場の中央に鎮座し北を向いていたが、1989年5月に駅前広場が拡張された際に場所移動し、同時に東(ハチ公口方向)向きに修正された。