九条天となり、アメリカへ渡った。 完璧なアイドルになるための、充実した教育。 無駄になってしまうかもしれないが、何も知らないこの人のために、残りの人生を精一杯やりとげようと決めた。 天はすべてを犠牲にして、完璧なアイドルを目指した。そうしていると、呪いなんて欠片も感じることなく、過ごすことができた。そして、そんな日々の中で、陸と再会した。あんなに生かしたかったのに、陸を守る為にすべてを捨てたのに。それなのに、陸自身が、その身体を大事にしてくれない… そう思ってしまったら、もうだめだった。あんなに会いたかった弟に、きつくあたってしまった。でも、わかってほしかった。陸の命は、僕のすべてをかけていいと、愛しいと、それほどまでに大切なものなんだということを、わかってほしかった。残り少ない僕の人生をかけて、陸を大切に思っているのだということを、わからせてあげたいと、そう思っていた。