「いいかい、エリン。このピアスは決して俺以外の前で外してはいけないよ」 「はい……あの、サルディニア、さま…いたい…で、す…」 「あぁ…ごめんね。でもエリンの為だよ。エリンの身体によぉく覚えさせないといけないからね…エリンは俺のものだ。分かるね?」相変わらずピアスに指先を添わせて弾いている。その度に開けたばかりの穴はつきんつきんと痛んでエリンの目にじわりと涙が浮かんだ。「さぁ、もう片方も開けてしまおうね。もう一度力を抜きなさい」 「っ…!……は、い……」ぶつんと肉の断つ音と感触がもう一度襲いかかり両耳にピアスがつけられる。「……サル、ディニア…さま…本当に、これ…サルディニア様のものって、証なんですか…?」 「あぁそうだ。さっきからそう言っているだろう?それ以外に何がある?この首輪もこのピアスも全てお前の為なんだよ。とはいえ痛い事ばかりですまないね…」幼い子供特有のもちもちとした頬を堪能するように優しく撫で回す手が徐々に下にさがり首輪と繋がる手綱を掴んで引っ張られる。首輪がきゅっと締めあげられるように食い上げられて息苦しいがきっとこれも愛なのだ。「あぁ…俺の可愛いエリン…俺だけのエリン…その声は俺だけに聞かせておくれ。この姿も俺だけに見せればいい。愛しているよエリン」 「…は、い……サルディニア、さま……」幼い身体にところどころ色付いた紫色の斑点もきっと愛の証。時折サルディニアが癇癪を起こすようにエリンを叩くのはエリンが悪い子だから。サルディニアはエリンを愛している。おかしい事はなにもないのだ。鏡に映る自分とサルディニアを見つめ、ほんの少しだけ口角を上げてみた。