「おい、お前さん九条か?」もうすぐ陸がスーパーに着くという所で、聞き覚えのある声に引き止められる。振り返ると、変装した若手の実力派俳優、二階堂大和がいた。「なに、あのちびっこの事つけてんの?」目線の先で陸を捉えて、彼が言う。「あれはボクの弟。初めてのおつかいだから、見張り役をしてる。」「あぁ、あの子がいつも言ってる…。あの九条天が見張り役なんてしてるとは、弟くん愛されてるね〜」「当然。陸が愛されなくて、一体この世の誰が愛されるって言うの。 じゃあ、ボク忙しいから。」それだけ言い残して、そそくさと弟の後をつける天の後ろ姿を見て、 『天のブラコン度合いが怖い』という八乙女楽のボヤきを理解した大和であった。