「知っているのよ!その子は七瀬くんの双子の妹だって!」 「えぇ。陸はボクの最愛の妹ですが、それが?」 「それ、が・・・?だって、家族よ?血の繋がった兄妹でしょう?」 「確かにボクと陸は家族で、血の繋がった兄妹ですけど、それが何か問題でも?あなたにそのことで迷惑をかけましたか?かけていないでしょう?だからいい加減出ていってもらえます?」うんざりといった態度を隠すつもりもない天の言い方に女性は言葉を詰まらせる。その態度がショックだったのもあるが、なによりも天が一度だって女性に視線を向けることなく話しているのが応えた。天の視線は陸に向けられたまま、逸らすことなく甘く蕩けるような眼差しを送っており、陸も同じように天を見つめていた。それに耐えられなくなった女性は吐き捨てるように言う。