「何されるか、分かってるんだろ?」
「……」
「何されても騒ぐなよ」
男は冷淡に、また、漠然と予告した。
「ん……」
二人の少女がそれぞれ、どの方向から聞こえてきたかも分からない声に、背を丸
める。
少女はそれぞれ、後ろ手に手錠をかけられた上で、目隠しをされていた。
「ん……」
不意に下腹部に何かが触れるのを感じたのは、意外にも、まだ着衣の乱れていな
かった小柄な女の子の方だった。
少女は、いきなりの感触に反射的に身をよじる。
「動くな」
男はそう言い、服の上から見る限りあまり凹凸の無い少女の体を撫で回した。
「ん……」
不快そうに口元を引きつらせる少女。
目は隠されていて見えないが、どう見ても小学生という風貌。
体も小さく、見ようによっては低学年にさえ見える。
実年齢はどうあれ、こんな事件に巻き込まれるようなタイプの少女には見えなか
った。
「……親が泣くな」
「……」