暖かい布団に包まれて、陸は蕩けた瞳を開ける。どうやら生理中の夢を見ていたようだ。ふと目線を下げると、繋がれ絡められている両手、混じり合う赤と薄桃の髪、先程まで互いの蜜に濡れ隙間なく合わさった身体はしっとりと熱を孕んでいる。今は閉じた天の薄紅の瞳が、情欲で濡れて自分を捉えていたのを思い出し、肌を彼色に染め、離れられない幸福に微笑んだ。 「ふふ、天にぃ、かっこいいなあ。大好きだよ。ずっとずっと。」 天はこの行為にどこか後ろめたさを感じているのを陸は知っている。いけない関係であることも理解している。それでも、好きなことに変わりはないし、この気持ちを恥じたことを陸は一度もなかった。一度溢れた思いを、戻す方法なんて知らないし、知りたくもない。今も溢れ続けるこの思いは陸にとって誰にも譲れない宝物だ。たとえいつか天が離れていったとしても、他の女性を選んで結婚したとしても、自分は家族に収まりきらない愛を持ち続けて生きていたい。自分の人生が輝くのは、歌と、それを教えてくれた天の存在なのだから。