次々と語られる楽の知らない話にすでにキャパオーバーしかけているが宗助は話を続ける。「お前は覚えていないだろうが幼い頃に一度会ってアイツと遊んでいるぞ。」 「嘘だろ...」 「まぁ天と陸ぐらいの歳の頃だから覚えていないのも無理はない。その一度しか会わせていないしな。」 「何でだよ。親父の妹なんだったら何度も会っててもおかしいくないだろ?」 「妹は...海は体が弱く呼吸器系の病気を患っていて楽に会わせた後に病状が悪化して入退院を繰り返すようになったんだ。それが続くうちに私も仕事が忙しくなり簡単には会えに行けなくなった。」海と呼んだ宗助の表情は普段の眉をつりあげた怒り顔ではなく少し分かりにくいが柔らかい表情を浮かべている姿に楽は複雑な表情を浮かべる。「結婚した時も子供が生まれた時も私は仕事で立ち会えていないが、時間がある時には顔を合わせていた。近々楽のスケジュールが会う時に会わせるつもりではいたのだ。」 「会わせるつもりでいた...?だったらそん時で良かったじゃねぇか。何でその妹の子供をここ連れてきたんだよ。」 「......海が死んでしまったからだ。」 「え.........?」