「あ、ちょうどいいところに…!メンテナンスが終わったので、呼びに行こうと思っていたところだったんですよ!」カウンターへ向かうと、店員さんが私のベースと紗夜ちゃんのギターをそれぞれのケースにしまっているところだった。「ありがとうございます。助かりました」それぞれ会計を済ませて楽器を受け取ると、「あ、試し弾きしたければ裏手のスタジオを使ってもいいですよ。予約も入ってないので」と、店員さん。さっきの話、聞かれてたのかしら…「なら、少しお借りしてもいいかしら?」「はい、もちろん!一応時間は…30分もあれば十分ですか?他のお客さんが来るかもしれないので…」「試し弾きだし、それで十分ね。お願いします」「では30分押さえちゃいますね…あ、このお代は結構ですので!」そういいつつ満面の笑み…やっぱり、さっきの聞かれていたのね…少し小恥ずかしい思いをしながら、紗夜ちゃんに続いてスタジオに入った。