フンと腕を組んでそっぽ向くテンと笑顔で応援してくるリクにほんとにこいつら似てないなと思いながら勢いよく地面を蹴り、悪魔へと向かう。ガクが交戦を始めたのを確認したテンは右手でパチンと指を鳴らすと、パッと弓と矢が現れる。それを取って二本の矢を同時に引いてから放つ。矢は綺麗な放物線を描いてトストスッとガクの目の前に突き刺さる。「おいテン!!お前どういうことだこれ!!ふざけんなよ!?」 「昼の仕返し。次はちゃんとやる。」 「次じゃなくて最初からやれ!」悪魔と渡り合いながら器用に怒声を飛ばすガクに悪魔はコイツと憎々しげに見つめる。今まで簡単にエクソシストを喰ってきた慢心から舐めてかかっていたが、どうやら少しは手応えのある人間のようだと目を細める。だが、抵抗されればされるほど燃え上がり、太刀打ちできないと分かり絶望する表情を浮かべる人間ほど美味いものはないと思うからこそ悪魔は食べることをやめられないし、襲うことをやめない。この人間たちももうすぐ喰えるのだと思うと興奮してくる。特に子供は大好物だ。