「あのねあのね!にぃにがね、てれびでてるとね、おかあさんいつもにこにこしてたんだよ!おとうさんもね、にぃにかっこいいってほめてた!おじちゃんもね、にぃにはじまんのむすこだー!っていってたの!にぃにすごいね!みんなにほめられてるんだもん!ね!てんにぃ!」 「うん。がくくんはじまんのかぞくだねっておかあさんいってた。ボクとりくはいつもてれびでしかみたことなかったからあってみたかったんだよ。やっぱりてれびでみるよりおかあさんがいってたとおりかっこいいねりく。」 「うん!」 「お、おう...なんかサンキューな。」照れながらもお礼を述べた楽だったが、今でもまだキラキラした瞳で楽を見つめてくる陸と天も天で先程までの冷たい態度がどこへいったのかというぐらいに少し興奮気味に楽の顔をまじまじと見つめてくるのでなんなんだとひたすら困惑する。「おかあさんに、にぃににあえたっていわなきゃね!」 「あ...りく、」 「てんにぃ?」嬉しそうにいう陸だが、天は表情を曇らせる。おかあさんはもういないんだよ、と言わなければいけないのは分かっていてもそれを口にするということは、母親がもうこの世にはいないということを認めるということ。そんなの天だって嫌なのだ。