「……いや、だ……、ボクは、」 「……俺たちだって嫌だよ。お前が、いなくなるのは」 「天、お願い。置いて逝かないで。……約束、してよ」無茶なお願いとはわかっていた。これは天に与えられたさだめであり、他人が容易くねじ曲げて良いものではない。けれど、願わずにはいられなかった。大事な仲間が奪われてしまう。気がついたら龍之介もぼろぼろと涙をこぼしていた。「……龍まで泣くなよ。俺が泣きづらいだろう」よしよしと楽がふたりを抱き寄せて頭を撫でた。……まったく。これで俺まで泣いたら、三人ともボロボロになるだろうが。 腕の中でちいさく震える天。こいつはいつでも素直じゃなくて生意気で、本当に腹の立つやつだった。けれどプロ意識の高さは本当に尊敬していたし、だからこそ本気でぶつかり合えたんだ。三人で高みを目指していけたんだ。なのに。こんな呆気ない終わりかた、誰が納得する。 頼む。半年なんて言わずに。もっと三人で。