兄である正平と弟である隆(大内さん)には、どことなくぎくしゃくした面があって、その一因となっているのが、正平の妻の主治医が隆であり、がんの治療のために抗がん剤と放射線治療をしたこと。
隆は医者の信念として、その治療を勧めたけれど、正平はその苦しみを隆自身が味わっていないだろうと指摘するんですね。
「プライドを持って仕事をしている」と自分自身を語る隆。だけれども、自分の患者の家族でもある兄・正平は自身の妻を喪ったことについて、自分を一度たりとも責めない。責めてくれれば楽になれるのに、というかのように正平に叫ぶ隆の姿が胸に突き刺さります。
兄は自分を実は責めているんじゃないかといらだつ弟。
責めていないけれども、言えない部分、どう言ったら自分の本心が伝わるか困っている兄。