「やっぱり、遥君は一人で出て行こうとしてるねー」 「うん、何か帰る準備済ませちゃってるっぽいよっ」 「もーっ、街で何の問題も無く暮せてるのにねー?」 「いやあー、問題は有り捲くりだけど……街の人たちが諦めてるみたいな、……ギルドとか……。」 「多分だけど、遥君は小田君たちを待ってるんだと思うの。私達と…、島崎さん達の為に……。」 「なんでよ!使役者なんでしょっ!何で帰っちゃうの!何で置いて行くのよっ!私達まだ何にも……何にも……。」 「そ-だねーっ?なにかっ、こーっ、遥君が、離れられないーみたいな?何か無いかなー?」 「遥君の……、こう……何ていうの?、……ウィークポイントじゃないけどさあー。」 「身体じゃ駄目だったよ……、ダメダッタヨ……。」 「あのー、離れられない様な物は有るんですけど、此処には無いんです。」 「「「「「えっ!?何!?」」」」 「図書館です。」 さすが図書委員……って、 駄目そうだ、引き止める方法が図書館建設とか……、いや、建物だけなら本人が造っちゃいそうだけど、豪華なのを。 大量の本が読めると聞けば一晩で造るかも知れない……、造るだろうなー、絶対に、図書館と聞けば元の世界より先にサグラダファミリアが建つだろう。 そうすれば、図書館が在ればきっと絶対間違い無く街に残るだろう、離れないだろう、追い出そうとすれば街を乗っ取っちゃうだろう。 そう、だって、私の知ってる遥君は11年間ずっと本を読んでいた。 ずっと、ずっと、いつも、いつも、 きっと一番欲しい物だろう。 私達は、沢山もらった。 何もかもが、遥君に貰った物だ。 何故なら、今生きているのもそうだから。 なのに、何もあげられない。 私達には何も出来ない。 今日も、みんな話し続けるんだろう、どうしようって、どうしたらいいって……。 また今日も、誰かが、我慢できなくなって、泣き出すまで……、ずっと……ずっと……考える。 みんなに理由を話したから、みんなに話してしまったから、 「たぶん、遥君が洞窟に戻ろうとしているのは、男子達を此処に来させない為。 私達や、小田君達が危ないから、 あそこで、止める気なんだと思う、