双子にとって血の繋がる兄妹であることは逆に、切れない運命の赤い糸であると思っている。それに加えて同じ時を過ごしてきた双子という更に強い結びつきに、これはもう神が与えたご褒美ではないかと思うぐらいには歓喜に満ちた。それに男女の双子は、前世で結ばれなかった恋人たちの生まれ変わりだという迷信があるらしいが、二人は前世でも恋人という可能性があったかもしれないのだ。とどのつまり、天と陸にとっては兄妹も双子も全て恋人と同義語になる。「なに、してるのよ・・・」 「ぅえ!?わ!どうしよう天にぃ!誰もいないと思ったのに!」 「陸、落ち着いて。とりあえず服着てから慌てなさい。」 「ふぇ?・・・わぁ!!は、恥ずかしい・・・」いそいそと散らばっていた服を掻き集めて着直している陸だが、恥ずかしがるところはそこじゃないという言葉を飲み込んだ天は今だに入り口でこちらを睨みつけている女性を一瞥する。