ギシッ…ギシッ…とベッドスプリングの軋む音が、何度も何度も部屋の壁にぶつかって反響する。 ベッドの軋む音、布地が擦れる音、粘着質な水音…そして、それらを混ぜ合わせた中にあって、絶対的な響きでボクの鼓膜を震わせる陸の喘ぎ声。 「あっ…! ぅ、ひっ! やっ!」 はぁはぁと響く二人分の荒い呼吸が、互いの肌の上を滑ってゆく。 四つん這いのような格好の陸を後ろから抑えつけるような体勢で、ボクは何度も陸の腰めがけて自分の腰を打ち付ける。 「てっ…にっ、やっ! なん、でっ…」 部屋に戻ってきたボクにいきなり口を塞がれ、混乱を落ち着かせる間もなく発情期で高ぶった身体に触れられたことで、陸の思考はきっと情報を纏めることも出来ない程にぐちゃぐちゃになっているだろう。 ほんのついさっきまで、昔のような優しさを垣間見せていた筈の兄が、突然自分にキスをして…そして自分を犯している。…混乱するどころか、絶望さえ覚えそうな酷いシナリオだ。 「んっ…、ね…陸、発情期って…凄いね…」 「ひぅっ! アッ! あっ、あぁっ!」