「違う!要らないものだったら、探さないだろう?あんな夜中に、無意識に徘徊してまで…」 三月は語気を強めて、そんな天を諭す。 陸の中の天の存在は、無意識に求めてしまう程に、大きいのだと。 やはり陸にとって天は、自分たちが越えられないほど、大切な存在なのだと。「陸は、九条の言うとおり、自分の意思で落としたのかもしれない。でも、失くしたくなかったから、探してるんだと思うんだ」 例え陸が望んで何かを落としたとしても、必死にそれを探しているのが陸の本心だ。 自らが捨てたのだとしたら、自らが捨てたと言う事象を認められなくて、何かを探し続けている。 何て、哀しいことだろうか。「今の陸を救えるのは、九条だけなんだ。……頼む」