ボクは暫くの間は仕事も手につかないほどだった。考えてしまうのはいつもボクの大切な片割れのこと。それほどボクの中であの子の存在は大きいものだった。大切だった…。あの子はボクの唯一の家族だ。だからこそ、最期くらい…声を聞きたかった。謝りたかった。自分勝手な理由で家を出て、厳しくしたり、甘やかしたり。 キツい言葉で突き放したり。 ちゃんと…謝りたかったのに…それすら…叶わなかった…。悔しい…。ボクは、1年経った今でも…あの子がこの世を去ったのが信じられない。それでもあの子の仏壇の前に立つと…嫌でも受け入れてしまう。あの子が居たから、笑ってた。 あの子が居たから、仕事も頑張れた。 あの子が居たから、今のボクがある。全ては…あの子の為に…。 自分を犠牲にしてきた。あの子が亡くなってからもボクはアイドルという仕事は続けている。 あの子が…天国から見ていてくれるから…。あの子が天国でも幸せになれるように…。陸の同じグループのアイドリッシュセブンも活動を続けている。メンバーもあの子の思いを胸に今も輝き続けている。────それがあの子の…願いだから。