およそ天には想像も出来ないことだった。それにより身体にどんな影響が出るのか、どんな暮らしが出来るようになるのか。それと、天には絶対にやりたいことがひとつあった。……それは、出来るのか。 医師が天の心を読んだように話し出す。「もちろん、かなり体力のいる手術だ。もうすこし体力をつけてから臨みたい。成功すれば、陸くんのようにステージに立てる。……どうだい、待つだけよりやってみないかい」 「はい。……やります」それだけ出来るなら。天はどうなっても良かった。まっすぐ目を見て答えると、医師は微笑んだ。「やっぱり、きょうだいだね」