ジャンが呆れていた。 おっかないと言っても死ぬことはないし、人間は比較的早く排出することが出来るので誤って自分をそういう武器で傷つけてしまっても仲間がいればなんとかなる。 一人では絶対に使うな、とは駆け出したちには教えておいているし、大丈夫だろう。 実地として実際にその麻痺にかかってもらったりもしたし、身をもって危険性は理解しているはずである。 そんな話をすれば、ジャンは、「おっかねぇのはお前だったか……その仮面、今更ながらひどく似合ってみえるぜ……」 と呟いていた。 それから、「……お、着いたな」 ジャンが一つの建物の前で止まり、そう言った。 冒険者組合ギルド建物である。 以前来たことがあるのは話の流れでなんとなく分かったので、当然これがそうだとすぐにわかったのだろう。 まぁ、冒険者組合ギルド建物というのは用途上、作りが大体決まっているので一目見れば概ねそれだと分かるものばかりだが。 特別なものもないわけではないらしいが、俺はまだ見たことがない。 遠くに行けば、いつか見る機会もあるのかもな……。「じゃあ、入るか。お前たちも来るよな」 ジャンにそう言われたので、俺たちも続く。 依頼はジャンをウルフのところまで送り届けること、なのでそこまでやらなければ冒険者として依頼を終えたとは言えない。 当然の話だった。