ルチリアーノも種族が変わった事に動揺はしているようだが……それは興奮と知的好奇心による物のようだ。「【状態異常耐性】を含む幾つかのスキルを獲得したが、それが冥系人種の種族的特徴なのか、私の素質によるものなのか調べたい。しかし、今すぐ冷静に質問に答える事は君達には難しいだろう? だから、とりあえず自分自身を調べているのだよ!」 ルチリアーノよりも大きく動揺し喜びのあまり泣き出す者までいる様子の元奴隷の少女達を強引に調べようとしない分、周囲に配慮しているのだろう。彼の基準では。「その冷静に質問に答える事が難しい女子供の前で、上半身裸で怪しげなポーズを決めて何言ってんだ」 しかしダグの言う通り、ルチリアーノの基準の配慮は他人にとっては意味が無い場合も多いのだった。 だがメリッサはそれよりも気になる事があるらしい。「上半身までなら大丈夫でしょ。グールや巨人種の男の中にはそんな恰好の人もいるし。 それより調べた結果ダグ達はどうなったの? 日光に弱くなったとか、銀で肌が焼けたりするなら困るのよ」「流石にすぐには分からんよ。一先ず、骨格や内臓の位置と数は変化していないと言う事だけだな。日光については地上に出ないと分からないが……銀については大丈夫だろう。シルバーのペンダントをしている君に抱き止められても、ダグ君の皮膚が焼けるような事は無かったようだしね」