「おはよう」 「おはよう天・・・っと」 「はよ・・・お?」ボクが抱き抱えている陸に気付き、二人が体を起こして近づいて来る。 陸が一瞬ビクリとボクの腕の中で体を震わせるのが分かると、陸の背中を優しく撫で、大丈夫と言い聞かせると体の力を抜いた。「陸、この二人がボクの仲間だよ?」 「う・・・あぅ」チラチラとボクの腕の中で不安そうに二人を見上げてまたボクの胸元に顔を隠してしまう。 他人との交流が少ない陸は初対面の人とはいつもこうなってしまう・・・「りーく、お兄ちゃん達にちゃんとご挨拶しようね?大丈夫、二人供怖くないか・・・あぁ、楽が怖いのかな?」 「おい!!怖いってなんだよ」 「ぴゃっ」 「ちょ!ほら、楽が大きな声だすから驚いちゃったじゃないの」 「オレの所為かよ?!」 「あうぅ~」 「もう、二人供陸君が怖がっているから・・・陸君こんにちわ」 「う?」龍が陸の目線に合わせる様に腰を屈め、陸に優しく声を掛けると、ボクの胸に顔を隠していた陸が恐る恐る龍の方へ顔を向ける。 龍と目があった瞬間、龍はにっこりと笑い掛けると、陸が一瞬ビクっと肩を跳ねさせるが直ぐに龍の目をじーっと見つめている。この反応は今まで無かったかも…「オレは十龍之介、宜しくね、陸君」 「あ・・・え、・・・」 「陸、ちゃんとごあいさつ、ね?」 「あ、ななせ、りく・・・でし・・・えっと、あの・・」 「龍で良いよ?呼びやすい様に呼んでくれて構わないから」 「・・・りゅーにぃ」 「ん?何だい?陸君」 「あ!りゅーにぃ」 「良かったね、陸。龍の所行く?」 「・・・・あ、えっと・・」 「来るかい陸君?」龍が陸に向かって手を伸ばして来る。陸が一瞬迷ってボクを見て来る。 ボクはそっと陸の体を龍へと渡すと、龍が陸を慎重に優しく抱っこしてくれる。 流石兄弟がいるだけはある。抱っこの仕方も小さい子のあやし方も手慣れている。「陸君は軽いなー、ちゃんと食べているのかい?」 「今日もちゃんと朝ご飯全部完食したよ」 「そりゃ凄いな。偉いぞ、陸君」 「へへ・・・」