カリスマ・モデル『MASAKI』はそうやって誕生したといっても過言ではない。天性の美貌に慢心することなく、努力を惜しまず、仕事に対して誰よりも真摯だった。 そんな雅紀が目も眩むような大輪のバラであれば、尚人はひっそりと佇む一輪草だろう。逆境でも薄れない強さを体現している雅紀とは真逆の清々しさとでも言おうか、ある種の庇護 欲すら掻き立てられる。 高校男子なのに、可憐なのだ。媚びているわけではないのに、目が離せないのだ。 まったくスレたところがなくて、初々しいのだ。 なんだか、見ているとつい頭を撫でてやりたくなるくらいに可愛い。それって、三十代の男とし てはどうなんだ? ......と、ため息まじりに一人ツッコミを入れてしまうくらいには。