その日から毎日毎日正哉さんに求められた。 私は体調不良を理由に会社を辞めさせられ、住んでいたマンションも解約し、正哉さんの家に閉じ込められた。どんな手を使ったのか、いつの間にか私は正哉さんの姓に変わっており、名実ともに正哉さんのものになった。 いったいどこで買ってきたのか太く長い鎖に足とベッドを繋がれ、下着以外の衣服を全て手の届かないところに移された。 正哉さん以外の男性の姿を見ることも声を聞くことも許されず、許されたのは部屋で正哉さんの帰りを待つことだけだった。 結局あのときの裏切りの謝罪はさせて貰えなかった。そのことに触れようとすると正哉さんは恐ろしく機嫌が悪くなり、言わせないとばかりに私を抱くのだ。 きっと私の口から他の男性を選ぶような言葉が出てくるのを恐れているのだろう。 信用はされていない。救いようのないほど自業自得だが、自分の気持ちを信じてもらえないというのだけは哀しかった。 正哉さんだけが好きなのに。私の心も身体も正哉さんだけのものなのに。 だから私を閉じ込めることで正哉さんが安心できるのなら、いいと思っている。 私には正哉さんしかいないから。 そして今日も仕事から帰ってきた正哉さんに責められる。 「ああっ……」 一日に何度も正哉さんを受け入れているそこからはコポリッと正哉さんの証が流れ出てくる。 勿論、避妊などしていない。近いうちに子供も出来るだろう。 それもまたいい。 「正哉さん……すき」 「ああ、愛してるよ。俺だけの安里子」 それは決して私の言葉に応えてくれている訳ではない。 ゆるゆると動いていた正哉さんが一際激しく私の中を突き上げる。その衝撃で私はまた達してしまう。 「ひっ……あああっ」 「愛してる愛してる愛してる」 ―――私も、 喘ぎすぎて掠れた声で私は言う。想いを込めて。 「あいしてるの」 無言の正哉さんに涙が溢れる。泣く権利なんてないと理解してるけれど。 伝わらなくなってしまった愛の言葉を口にしながら白濁とした意識の中で私は目を閉じた。 いつか正哉さんに伝わるようにと願いながら。