辿り着いたのは人気の少ない公園の、さらに奥。誰も来ないような木々に囲まれた静かな休憩所。 掴んでいた腕を離して向き直れば陸は荒い息を吐きながらもにこにこと笑っている。「…はぁ、なに笑ってるの」 「はぁ、はぁブフ、ご、ごめん、だって、天にぃが珍しく大きな声出すんだもんフフ、ごめんまって、笑いが」なんとなくムカついて未だに笑い続ける陸のほっぺをつまむ。「あひょっ!?へんにぃ!はにふるのー!!」 「なんかムカついたから」そう言ってぐにぐにととほっぺを動かせば少し上目遣いに睨んでくる。睨む目に迫力は全くなく、むしろかわいらしい。気が済むまで楽しんでからようやく手を離す。しばらく「もー」と自分のほっぺをふにふにと触っていだが「これでお相子だよ」と言えばむーとしながらも納得したようだった。「ところで天にぃずっと気になってたんだけど、」 「なに?」すると陸はボクの後ろを指す。それに倣って振り向いて思わず「は」っと言葉が漏れてしまった。「あの人たち天にぃのお友達?」こちらを見るカラフルな頭が目に入った。