「両方かも。俺本当に諦め悪かったよね・・・ でもそこで諦めたら俺はこの先ずっと諦めていく人生になっちゃうのかなって思ったら なんかもういてもたってもいられなかったんだ。 でもそれ強さっていうのかな。諦めるのが怖かっただけかも。」そう、たとえそれらが周りの優しさの表れだったのだとしても。心配して言ってくれたのは幼心に理解出来ていたけどでも自分で自分の可能性を否定したくはなかった。天にぃがなんでこんな話をし始めたのか最初は皆目見当がつかなかったけどなんだか少し分かってきたかもしれない。「強いよ、陸は。陸は僕のこと凄い凄いっていつも言ってたけど、僕にとっては陸がヒーローだったよ。眩しかった。なんでこの子はこんなにいつも前向きに、笑っていられるんだろうって。どんなに苦しいときでも辛いときでも自分で光を掴んでくる。僕はそんな陸に負けてられないって思って色々頑張れるようになった」そういいながら身体を離した天にぃの顔は笑っていた。テレビでも雑誌でも見せない顔。ふわりと柔らかい。包み込むような笑顔。俺だけの、俺だから知ってる兄の顔。「そう・・・だったの・・・?」「今だから白状するけど僕だって最初から何でもできたわけじゃない。 僕はこんな凄い陸のお兄ちゃんなんだから、負けてられないって躍起になって色々練習したりして頑張った成果。」「知らなかったな・・・。でもやっぱり天にぃはカッコいいよ?」裏事情を知っても変わらない。むしろさらに尊敬したかも。と素直に羨望の眼差しを向けたら何故かぷいっと目を逸らされた。「と、とにかく僕が言いたいのは。僕も陸から色々なもの貰ってきて現に僕の糧になってるってこと。それはこれからも変わらない。陸はちゃんと自分の足で立ててる。 立つことを忘れない。僕はそんな陸が誇らしいしそういうところ大好きだよ。だから自分のこと卑下するのはもうやめて。確かに丈夫とは言えないけど、ちゃんと向き合って、 多くのものをその手に克ち得てきたじゃない。」