「探してるドールがいるんだ。背格好はボクと同じくらい。赤い髪に赤い瞳。どこかで見たことない?」 「赤い髪に赤い瞳……ですか…珍しいドールですね。」 「うーん……俺は見たこと、ない 」 「僕も、それくらい特徴的なドールなら忘れない筈なので多分お見かけしたことないと思います…」 「……そう…」 「そのドール、てんてんの大切なヤツ?」 「……そうだね…とても大切な子だよ…」 「今日はどうかわかりませんが、ドールの会合にはいつも色んな方が集まります。僕たちは分からなかったけれど、どこかで見た事があるという人もいるかも知れません。僕たちもタイミングがあれば聞いてみます。」 「俺も 」 天の大切な人と聞いて同情したのか、二人は神妙な面持ちで必死に天を励ます。 そんな二人に天は起きてから初めて、心からの自然な笑みを返した。 「ありがとう。助かる。」