突然の楽の質問にキョトンとした表情を浮かべる双子。だいぶ落ち着いてきたのか涙はもう流してはいないが、楽の服に掴まっている手が緩んでいないのを見るとまだ離れることは許されないらしい。それを分かっていたから気を紛らわす目的も加えて双子に質問したのだ。「わかんない。きづいたらりく、にぃにしってたよ!」 「おかあさんがいつもてれびでみつけるとおしえてくれたの。あと、おじさんがしゃしんみせてくれる。」 「なぁ、そのおじさんってのは俺の親父のことだよな?」 「え?おじさん、にぃにのおとうさんなの?」 「そうだよりく。」 「そこからかよ…」双子と話しているとよく分かるが、天は兄らしくしっかりしており、陸は年相応というよりそれより少し幼さを感じる。天の方がはっきり話し、陸は少し舌ったらずな喋り方が余計に幼く感じさせるのだろう。「お前ら双子なのにあんまり似てないな。」 「にてるもん!りくとてんにぃにてるもん!!」 「いや、そんなムキになるなよ...」 「ボクとりくはにてるもん。すきなものもいっしょ。おもったことはいつもいっしょ。ちがったことなんていちどもないもん。」 「お前までムキになんのか...」