消費者行動研究の歴史を繙くと、大きく分けて2つの研究領域に集約できる。セグメンテーションの研究と消費者の意思決定プロセスの研究である。セグメンテーションは、ターゲットを定め、ポジショニングを考えていく際の前段階としてマーケティング戦略上重要であり、デモグラフィック要因やライフスタイル要因の研究、さらにはFSPデータの研究などがその代表である。消費者の意思決定プロセスの研究は、消費者がニーズを感じてから実際に購買するまでの流れの研究であり、その時間的推移の中で商品評価基準がどう変化し、最終的に1つの商品に絞り込まれるのかを捉える上で役立ってきた。この2つの研究はそれぞれ別々に発展してきているが、たとえば関与研究に代表されるように、意思決定プロセスの研究で有効とされた概念がセグメンテーションの軸として採用されるなど、関係は深い。